旬の野菜で、ひとつき、ひとくぎり Italia編

「かぼちゃ」 イタリア料理編

旬の野菜、 Italia編をお届けします

毎月お届けしている「旬の野菜で、ひとつき、ひとくぎり」は、和食で「小鉢」になる料理を紹介していますが、「Italia編」では、ワインとあわせたイタリア料理をお届けします。
ご紹介するイタリア料理は、日本人の口にあうように一工夫されています。
日本の料理とはひと味違った、旬の野菜の楽しみ方をぜひお試しください。
併せて、ソムリエの資格もお持ちの彼女ならではの、料理にあうワインを紹介いただいています。イタリア料理とワインをセットでお楽しみください。

ハロウィンはイタリアでも”新しく輸入されたお祭り”の一つ

私の大好きなカボチャの美味しい季節がやってきました。
欧米で“鑑賞する”カボチャと言えば、ハロウィンのジャック・オー・ランタンを想像しますが、この習慣はアングロサクソン族によるものだそうで、現にハロウィンはイタリアでは新しく輸入されたお祭りの一つとして認識されています。そう、まるで日本のハロウィンです。
自分達の文化には関係ないものの、なんかみんな楽しそうだから共有しちゃおうか?という感覚です。と言うわけで、流行りだしたのも本当に最近の話しだとのこと。
因みに、カボチャはアメリカ大陸に移民したスペイン人にヨーロッパに持ち込まれたもので、食され始めてからさほど歴史は長くない野菜の一つと言えます。

お料理は「Tortelli di zucca(トルテッリ ディ ズッカ)/ かぼちゃのおかずパイ」

カボチャを使ったイタリア料理としてよく知られているお料理の一つで、Tortelli di zucca (トルテッリ ディ ズッカ)というマントヴァ地方に伝わる郷土料理があります。
この地に訪れた際に私もいただいてみたものの、驚くほどの甘さのために完食できず…。

折角の機会でしたので、今回のお題遂行ためにレシピを探してみました。
カボチャに“アマレット”という甘みのあるリキュールと“モスタルダ”というフルーツのシロップ漬け(マスタード風味)を使うことを知り、「この甘さは食事として日本で受け入れられることは非常に難しい」と残念ながらも客観的に判断。
ワインにも合い、また簡単に作れる”Torta Salatd di Zucca かぼちゃのおかずパイ”を紹介させていただきます。

このメニューで決め手となるのは、”スペック”という生ハムの一種であるとも言えましょう。
日本では馴染みの薄いイタリア食材の一つのこの食材は、豚モモ肉を塩と香辛料と共に漬け込み、燻製した後に熟成させたもの。日本ではなかなか手に入れるのがむずかしいですよね。
代用として、燻製ベーコンがご利用頂けます。薄めにスライスされたものをご用意戴くか、もしくは、ブロックタイプを1cm弱角にきざみ、炒め、パイの具となるカボチャペーストを作る過程で一緒に混ぜ合わせても良いかと思います。カボチャの甘さを最大限に引き立てる為には、このスペック(もしくはベーコン)の程よい辛味と燻しの香りが必要不可欠と言えます。

・材料
(底面直径28cmのパイ皿利用時の分量、日本サイズの場合は2/3程度の分量で良いと思います)
カボチャ    600g (皮を剥き種を取った状態で) 
リコッタチーズ 300g
スペック(もしくは燻製ベーコン) 100g
玉ねぎ     半個
パルミジャーノ・レッジャーノ   30g
卵       1つ
冷凍パイシート 1枚(ご利用のパイ型に合わせて下さい)
塩       適量
黒胡椒     適量
炒り胡麻    適量
 ※冷凍パイシートは、イタリアではPasta Sfoglia(パスタスフォリア)と呼ばれ、スーパーマーケットで2ユーロ程度でてにはいります。

・つくり方
1.  2 cm 角に刻んだカボチャを、少量のオリーブオイルを敷いたフライパンで15分ほどやわらかくなるまで炒めます。
2. 粗熱がとれたカボチャをボウルに入れ、リコッタチーズを加え、カボチャを潰すようにして混ぜ合わせます。
3. パルミジャーノ・レッジャーノ、卵、塩少々と黒こしょうを混ぜ合わせます。(キューブ状のベーコンを利用する場合は、この段階で混ぜ合わせて下さい)
4. オーブンを180°で温め始めます。
5. パイ皿にパイシートを敷き、底面にフォークでいくつかの穴をあけます。その上にスペック(もしくは燻製ベーコン)を敷き詰めます。
6. 仕上げ時にパイ生地の端を折り返しますので、パイ生地の端から4cm程度までに3で出来たものを敷き詰め、表面を平らにします。
7. 薄くスライスした玉ねぎを軽く炒め、甘みを出し、パイ生地の上に置きます。
7. パイ生地の端を持ち上げ、折り返し、その上にたっぷりと炒り胡麻をふりかけます。
8. 180度に温まったオーブンで30分、パイ生地が程よく色づいたら出来上がり。

あわせたワイン

原産地    :イタリア リグーリア州
ワインの名前 : COLLI DI LUNI VERMENTINO IL MAGGIORE 2015
ワインの種類 :DOC COLLI DI LUNI
生産者    : OTTAVIANO LAMBRUSCHI
アルコール度 :13.5%
年度     :2016 年

テレニア海に面するサルディーニャ州、リグーリア州、トスカーナ州で多く栽培される白ブドウ品種のヴェルメンティーノ。レモンや白桃などのいきいきとしたフルーツ感があり、ハーブを感じさせる香りも高いです。塩を感じる辛味、存在感のあるミネラルがあり、魚を使った前菜や、軽めながらも味わいのあるパスタ、魚料理によく合います。

・生産者の紹介
1970年代に現在のオーナーであるオッタービアーノ・ランブルスキ氏が弟と共に始業。彼らの所有する畑の土壌はすばらしく、農薬も極力使うことを控え、個性的であり評価の高いヴェルメンティーノを生産しています。ガンベロ・ロッソでトレビッキエリもここ数年受賞しており、品質の高さが国内外で認められています。

・アビナメント
まず、ワインの香り高さに感動。さわやかさが心地よく味わいの良さを予感させます。フルーツの果汁を感じる口いっぱいにほとばしる味わいに、しっかりした辛味。このバランスが、カボチャの甘さとスペックの独特な味わいに良く合います。そしてリコッタチーズの爽やかさとパイ生地のモッタリした後味に、程よくワインの余韻が寄り添います。


文・写真/Atsuko Niwa


Atsuko Niwa

イタリア在住。現在はワインや蜂蜜を日本に輸出する業務に携わり、翻訳、日本語教師なども徐々に行っています。

出版広告業界を経て、その後15年弱、不動産業界の広報・採用業務に携わる。40歳目前に違う世界を見てみたくなりワイン業界へ転身。イタリアに興味を持ったのは、様々な種類があり個性豊かなイタリアワインをよく飲む中で、イタリアワインについているエチケットが自分で読めたら、もっとワインを愉しめるのではないかと思いイタリア語を習い始めたのがきっかけ。 その後、3ヶ月間イタリア旅行へ行き、アモーレと出会い、41歳の冬にイタリアに渡り、現在に至ります。

AIS認定ソムリエ、WSET Level2(ワインを理解するうえで不可欠な知識を得ることを目指すイギリスの資格)。

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