旬の野菜で、ひとつき、ひとくぎり Italia編

「きのこ」 イタリア料理編

旬の野菜、 Italia編をお届けします

毎月お届けしている「旬の野菜で、ひとつき、ひとくぎり」は、和食で「小鉢」になる料理を紹介していますが、「Italia編」では、ワインとあわせたイタリア料理をお届けします。
ご紹介するイタリア料理は、日本人の口にあうように一工夫されています。
日本の料理とはひと味違った、旬の野菜の楽しみ方をぜひお試しください。
併せて、ソムリエの資格もお持ちの彼女ならではの、料理にあうワインを紹介いただいています。イタリア料理とワインをセットでお楽しみください。

イタリアの八百屋さんで簡単に手に入る“シャンピニョン”

イタリア料理でキノコと言えば、Porncini(ポルチーニ)茸を思い浮かべる方が多いかと思います。
パスタソースの具材として使われることが多く、一番の特徴は土の雰囲気をまとった濃厚で独特な香り。
その存在は日本で言うところのマツタケと表現しても良いかと思います。マツタケほどでは無いですがポルチーニ茸も比較的高価な食材の一つで、フレッシュなモノを手に入れることはなかなか難しく、多くの場合が乾燥させたものを水で戻し、干しシイタケの要領で調理されます。
ポルチーニの話しが長くなりましたが、今回のお料理には残念ながらポルチーニは登場しません。
イタリアの八百屋さんで簡単に手に入る“シャンピニョン”、日本で言うマッシュルームを使った一品をご紹介したいと思います。

イタリアの”シャンピニョン”、いつもその大きさに驚かされます。
とにかく真っ白でツヤツヤでデカデカ。1㎏あたりが大体2~3ユーロ程度になりますので、気軽に食べれるのが嬉しいかぎりです。
因みに、今回はシャンピニョンの他に名称不明なキノコも一種類利用しました。
以前の記事でも紹介しましたが、イタリアでは野菜類は大きく一括りして総称のみを掲示して“サラダ菜”,“ジャガイモ”など、大ざっばに売られている場合がほとんどです。
絶対にそれぞれ名前がついているはずなのに、どこで落としてきてしまったのでしょうか…。
今回も、見た目は似ていますが、微妙に形と傘の中の色目が異なるこの二種類が共に「キノコ」とのみ書かれて売られていました。

お料理は「Petto di pollo ai funghi  鶏ささみ肉のキノコソース和え」

さて、今回なぜポルチーニ茸を使わなかったのはお財布の問題ではありません。
何を隠そう、乾燥ポルチーニ茸は我が家の常備菜の一つ。冷蔵庫の中に野菜が何もない時にでも、簡単にリゾットができるので私の強い味方なのです。
では、なぜそんなポルチーニ茸を使わなかったのかと言いますと、アッビナメントするワインの存在を考えたが故なのです。
今回のワインは「赤」。ですので、どうしてもお肉料理をご紹介したく、このメニューにいたしました。
それにしても、イタリアのお肉の概念は日本のものとはかなり異なります。
なんといっても“サシ”が入ったお肉はここでは見たことがありません。そして、お肉の品質の良さを伝えるときに「このお肉、とってもマーグロで上等なのよ」と言うのですが、マーグロとは”痩せている“という意味になり、言い換えれば”脂身が少ない“ということになります。脂身大好きな私にとっては衝撃的な事実でした。
ただ、日本の調理法と違って”マーグロ”な肉に、大量のオリーブオイルを使って調理していることが常なので、健康的なのかどうかは別問題ということになります。
私のパートナーは、生ハムについている脂身ですら取り分けて食べるくらい”マーグロな肉”が大好き。
おかげで、我が家の食卓にはよく鶏のささみ肉が登場します。ちなみにささみ肉は、スーパーの鶏肉コーナーで最も売られている部位肉だと思います。日本ではもも肉が、一番存在感があるのではないでしょうか?イタリアに来て実感したのは、オリーブオイルの美味しさで、シンプルなささみ肉もオリーブオイルで調理することによって、びっくりするくらい美味しくなるから不思議ですよね。

・材料
ささみ肉 300g
生マッシュルームなどキノコ類 200g 
玉ねぎ 中1個
西洋パセリ 1つかみ
白ワイン 100㏄
小麦粉 適量
塩 適量
黒胡椒 適量
オリーブオイル 大匙1

・つくり方
1.  ささみ肉を二枚、もしくは三枚に開き、軽く塩と黒胡椒をした後、小麦粉をまぶします。
2. フライパンにオリーブオイルを加え熱し、そこにみじん切りにした玉ねぎを加え、透き通るまで炒めます。
3. フライパンにさ1のさみ肉を加え、中火で両面を軽く色づくまで炒めます。
4. 薄切りにしたキノコ類を加え、たっぷりと塩と黒胡椒をし、ワインを注いだ後、蓋をし、10~15分程度蒸し焼きにします。(途中で水気が無くなった場合は、少量の水を足してください)
5. キノコがクッタリし、ソースにほどよいトロミがついたら、こまかく刻んだ西洋パセリを加え炒めます。
6.西洋パセリがしんなしたら出来上がり。

あわせたワイン

原産地:イタリア ピエモンテ州
ワインの名前: Il TIGLIO
ワインの種類:DOC Barbera d’ Alba Superiore 2015
生産者: Azienda Agricola Il Nocciolo
アルコール度:15%
年度:2015 年

ピエモンテ州を代表する土着品種の一つ“バルベーラ”を主体とするこのワイン。バルベーラが持つ鋭い酸味がとても特徴的です。スミレや赤い木の実、スパイス香があり、味わいは生き生きとした酸味と攻撃的なタンニンが楽しめ、1年間の木樽熟成を経たとは思えないほどのパワフルさが感じられます。

・生産者の紹介
ピエモンテ州のBaroloエリアを旅した時に、ランチがおいしいという情報を聞いてたまたま訪ねたホテル(ロカンダ)“Il Noccilo”。地元の食材を生かしたシンプルながらも滋味深い料理が楽しめ、そこで戴いたのが彼らが作るこのワインでした。味わいは非常にシンプルでながらも、洗練されていない素直な美味しさを実感。残念ながら日本はもちろんイタリア国内でもほとんど流通していないと思います。バローロエリアを訪れられた際、手ごろに美味しいものが食べたい!と思われた際は、ぜひ訪ねてみて下さい。
La Locanda del Nocciolo http://www.lalocandadelnocciolo.it/

・アビナメント
酸味とタンニンがキシキシと感じられるこのワイン、白身肉のお料理にはすこし強すぎたか?と口に含んだ瞬間に思いましたが、いやいやこのお料理も負けず劣らずしっかりした味わいで、とてもよいバランスが楽しめます。キノコの旨味が淡泊なささみ肉にギュッと凝縮し、小麦粉のとろみも相まって濃厚な味わいが生まれ、ワインが持つポテンシャルにピッタリ。西洋パセリのほんのりとクセのある清涼感が、赤ワインが持つ独特の青みにもよく調和します。

文・写真/Atsuko Niwa


Atsuko Niwa

イタリア在住。現在はワインや蜂蜜を日本に輸出する業務に携わり、翻訳、日本語教師なども徐々に行っています。

出版広告業界を経て、その後15年弱、不動産業界の広報・採用業務に携わる。40歳目前に違う世界を見てみたくなりワイン業界へ転身。イタリアに興味を持ったのは、様々な種類があり個性豊かなイタリアワインをよく飲む中で、イタリアワインについているエチケットが自分で読めたら、もっとワインを愉しめるのではないかと思いイタリア語を習い始めたのがきっかけ。 その後、3ヶ月間イタリア旅行へ行き、アモーレと出会い、41歳の冬にイタリアに渡り、現在に至ります。

AIS認定ソムリエ、WSET Level2(ワインを理解するうえで不可欠な知識を得ることを目指すイギリスの資格)。

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