旬の野菜でひとつきひとくぎり Italia編

「人参」 イタリア料理編

旬の野菜、 Italia編をお届けします

毎月お届けしている「旬の野菜で、ひとつき、ひとくぎり」は、和食で「小鉢」になる料理を紹介していますが、「Italia編」では、ワインとあわせたイタリア料理をお届けします。

ソムリエの資格もお持ちの彼女ならではの、料理にあうワインを紹介いただいています。イタリア料理とワインを併せてお楽しみください。

イタリアの食事で欠かせないもの、それは甘いデザートと食後酒

みなさん、イタリア人と一緒にお食事をされたことはあるでしょうか?
こちらの食事で驚いたことが二つあります。まず一つ目は時間の長さ。
そもそも、日本よりも食事を開始する時間が1時間から2時間ほど遅いイタリア。
イタリア国内でも微妙に変わるようですが、ランチならば13時半ごろから、夕食ならば20時ごろから食べ始めるのが主流の様に思います。
食事中も食べるのはもちろん、とにかく会話に花が咲き、気が付いたら4時間程度食卓についていた、なんてことも珍しくありません。
そして二つ目が食べる量の多さ。食事の時間が長いことからも簡単に想像できると思います。家庭での普段の食事はかなりコンパクトになっている昨今ですが、お祝いの席や家族揃っての週末の食事などは、これでもかというほどの量の食事が提供されます。
前菜、プリモピアット、セコンドピアット、コントルノ…。日本人ならもうここで本当にお腹いっぱい。
でも、イタリア人たちはこの大量の食事の後に、必ず甘いデザートを食べます。

日本と同じで「甘いものは別腹」という諺もあるほど。しかもこちらでは男女問わず「甘いモノ」が愛されています。そして、その食べ過ぎた胃腸を整えるために、最後に摂るのが食後酒。
食後酒はDigestivo(ディジェスティーヴォ)と呼ばれ、消化を促す事を意味しています。
もともとは薬効成分があるアマーロなどがその役目を担っていたと思われますが、今では食後に飲むグラッパやウィスキー、コニャックなどのスーパーアルコール(アルコール度数の高いお酒)全般が食後酒として認識されています。
そう、リモンチェッロなどの甘いお酒も食後酒の一つになります。胃腸の調子を整える為のものですのでもちろん少量を戴きます。
よって、グラスは日本酒のおちょこの様なサイズ。

今回の記事にはイタリアを代表する食後酒の一つ、グラッパを添えていますが、我が家にはグラッパ用のグラスが無くスパークリングワイン用のグラスを代用しています。
食べすぎた体をいたわる為に更に飲む。引き算が苦手で足し算しかできないイタリア人らしい発想ですね。

お料理は「Torta di Carote  人参のトルタ」

今月のお題である人参はイタリアのスーパーマーケットではシーズンを問わず、常に安価で買い求めることが出来る野菜の一つ。
日本のサイズよりもふた回りほど小さいことが多いですが、味わいはとても濃く、フルーツの様な甘さが特徴的です。

人参はその味わいからか、スープやブロードと呼ばれる出汁をとるときに使われるなど、香草の一種としても扱われているように感じます。人参を使ったお料理ですが、あまりピンと来るものが無かったため、今回はケーキを用意しました。

作り方はとても簡単です。
ただ、参考にしたレシピでは、お菓子用の酵母(ふくらまし粉)と、バニリーナと呼ばれるバニラの香りを付ける粉末を使ったのですが、分量が“1袋”とありあした。どのメーカーも、同様のg数で小分け袋に詰めているということでしょう。
ちなみに、お菓子用の酵母は1袋16g入り、バニリーナは3g入りでした。この表記の仕方も、とってもイタリアらしいですよね。レシピ一つをとっても、日本人の他人に対する気遣い力の高さを実感することができます。優越を付けるわけではなく、国民性の違いは至るところで発見できるものだなと感心してなりません。

・材料 (直径22㎝のケーキ型)
薄力粉(イタリアのレシピではFarina00) 300g
人参 250g
アーモンド(皮をすべて剥いたもの) 100g
全卵 3個
ひまわりの種の油 100ml
砂糖 150g
お菓子用酵母(Lievitio per dolci) 1袋
ヴァ二リーナ 1袋
※お菓子用酵母はベーキングパウダー12~15g、ヴァ二リーナはヴァニラエッセンスで代用できます。

・つくり方
1. 人参は皮をむきすりおろします。アーモンドはミキサーなどを使って細かい粉状にします。
2. 全卵をボウルに割入れ砂糖を全量加えて、クリーム状になるまでしっかりと混ぜ合わせます。
3. 2に、薄力粉、すりおろした人参、アーモンド、油、酵母、ヴァ二リーナを入れ、生地を切るようにしてしっかりと混ぜます。
4. 混ぜた生地を型に入れ、180度に予熱したオーブンで40分焼きあげて出来上がり。

あわせたワイン

食後のグラッパ
原産地:ヴェネト州 ヴェローナ ヴァルポリチェッラエリア
グラッパの名前:Grappa di Amarone di Valpolicella Barrique
ブランド: Azienda agricola Gamba Gnirega
製造者: Distilleria Franceschini

グラッパとはワインを製造した後に残るブドウの搾りかすを使って発酵させ蒸留したもので、イタリアの特産品になります。ブランデーの一種と位置付けられますが、大きな違いはブランデーはワインそのものを蒸留したもの。ワインは古い昔は貴族のみが飲用する高級品として位置づけられていたため、そのワインを造った“残った物”から作られたグラッパは農民の為のお酒として飲まれていました。

さて、今回のグラッパですがBarriqueと名前にあるように、木樽を使って熟成されており、亜麻色の美しい色合味を帯びています。
その分、香りも高く味わいにも丸く穏やかさ雰囲気を感じることが出来ます。
また、イタリアワインの三大ワインの一つと位置付けられる、Amarone di Valpolicella を作り上げた陰干しされたブドウを使っています。そのため、非常にブドウの存在感が残る味わいで仕上がっているのが特徴的です。

・生産者の紹介
アマローネの生産地として有名なヴァルポリチェッラ地区の中心地に6ha以上の畑を有するGamba社は、Aldrighett三兄弟が畑の管理から、ワインの製造、販売まですべてに亘って行っています。

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Atsuko Niwa

イタリア在住。現在はワインや蜂蜜を日本に輸出する業務に携わり、翻訳、日本語教師なども徐々に行っています。

出版広告業界を経て、その後15年弱、不動産業界の広報・採用業務に携わる。40歳目前に違う世界を見てみたくなりワイン業界へ転身。イタリアに興味を持ったのは、様々な種類があり個性豊かなイタリアワインをよく飲む中で、イタリアワインについているエチケットが自分で読めたら、もっとワインを愉しめるのではないかと思いイタリア語を習い始めたのがきっかけ。 その後、3ヶ月間イタリア旅行へ行き、アモーレと出会い、41歳の冬にイタリアに渡り、現在に至ります。

AIS認定ソムリエ、WSET Level2(ワインを理解するうえで不可欠な知識を得ることを目指すイギリスの資格)。

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