イタリア時間「年の終わりは忙しなく」

イタリア生活で見つける「びとくらし」

イタリアでの日常生活の中にある、すこしだけ幸せに感じたり、すこしだけリラックスできたりするような「びとくらし」的な出来事を、マルケ州アンコーナ住まいのライターが紹介します。

イタリアに暮らす彼女の話しを聞いていると、度々、イタリアでは日本と全く違う時間が流れているように感じることがあります。しかもとても豊かな時間でした。時間の流れの違いの中に豊かさの理由が隠されているように思えてなりません。ぜひ、この理由を一緒に探してみませんか?

2021年12月になりました

先月のイタリア時間で「まだまだ遠い日本」を寄稿しましたが、オミクロン株の出現により「とっても遠い日本」という状況になってしまいました。海外居住者の方が身近に存在しないと、意識する機会が殆どない問題なのかもしれません。
この「緊急」事態に対して、岸田政府はイタリアからの入国者に対しては6日間の隔離場所での待機、その後も引き続き自宅などで計14日間の自主隔離を要請する方針を決定しました。
単純な休暇を利用して日本へ戻るという人にとってはなかなか厳しい条件であることが伺えます。そして日本国籍を持たない人は、たとえ元国籍保持者であったり、配偶者や家族が日本人であったとしても日本への入国は特段の事情がない限り認められず、その入国に際しても政府承認の渡航ビザが必要になります。
今回の岸田政府の対応に関しては、国外在住者からは不満の声も多く出ているものの、日本の受け止め方は極めて好意的で「よくやった」という声も多く聞こえてきます。
他国政府からも「やりすぎだ」と非難はありますが、日本は島国として独立した領土を持ち、現在まで感染被害も甚大な状況に至っていないからこその判断であって成しえること。
諸外国の様に元の国籍は違えど、移住や移民によって人種がミックスして存在する国ではこの厳しい判断はなかなか難しく「日本らしい」出来事と実感しました。
年末年始をゆったりと日本で過ごしたい、と願うのですが、また来年へ持ち越しですね。

 とにかく無茶ぶりだらけなイタリア、でもこれが魅力

街は中心街から住宅地の一画までもが行政によってイルミネーションで飾り付けられ、多くの人が出歩き一年のうちで最もわくわくする時期になります。
さて、もう12月も後半と言う時期に入っているわけですが、この時期はイタリアも超繁忙期に入ります。企業においては決算が12月末であるケースが多く、また個人においては完全にクリスマスシーズンに突入します。11月からクリスマス色は高まりますが、12月8日の「無原罪のお宿り」の祝日を超えると、スピードが一気に加速します。
何と言ってもクリスマスに行われる多くの人とのプレゼント交換の準備。
友人、同僚、家族などと行うので、その数はかなりのもの。これを買い揃えるために、皆が一斉に右往左往するわけですが、日本の店やモノの豊かさと比較して、イタリアは本当にチョイスが少ない。MODAな国であるのに、デザインがゴテゴテの日本人好みでは無いヘンテコなものが多い上に、とにかく店が無い。なので、みんなが同じ店に大挙するという状況が起こり、この時期は郊外のショッピングセンターに向かう道路は常時渋滞が起こっています。

街は中心街から住宅地の一画までもが行政によってイルミネーションで飾り付けられ、多くの人が出歩き一年のうちで最もわくわくする時期になります。
イタリアに来てからもう6年。日本にいた時とは全く異なり、かなり「のほほん」と暮らしていますが、今年は例年よりも多くの出会いや経験に恵まれました。
この師走の時期だというのに、日本人シェフとともに「和食レッスン」を開催することとなり、そのプレゼンテーター役を昨日全うしてきました。
この開催が決まったのが11月下旬。初めての事なので準備ともども時間が必要とイタリア人であるオーナーに伝えたものの、「いやいや、全然大丈夫」と押し切られ、不安いっぱいの3週間でしたが形になって本当に良かった、と安どしています。
後先を考えず、出たとこ勝負にイタリア人は本当に強いのですが、そもそも何事においても「完璧である」ということは求めておらず、6、70%程度で仕上がればOKな彼らの心の中の余裕がこの強さを生み出しているのでしょう。
日本人のビジネス感覚からすると、まだまだ色々な改善点があると思えるレッスンだったのですが、受講いただいた方々からは高い評価を戴くことができたようです。
恐らく、皆さんのこういう類のレッスンに対する期待値がとても低いからかも知れませんね。
日本で教育を受け、日本での感覚を身に着けいている人ならば、この国でちゃんと働くことは結構簡単で、力半分でも十分通用しちゃうかも。
ですので「ちゃんとしている」人はとっても重宝されることをよくよく理解したこの1年でした。

2022年、イタリアの流れに飲まれ過ぎず、「ちゃんとした」感覚を持ち続けられるように過ごしていきたいと思います。

Buon Natale a Felice Anno Nuovo a tutti.
Grazie di cuore.

丹羽淳子

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Atsuko Niwa 丹羽淳子

イタリア マルケ州在住。現在はワインや蜂蜜を日本に輸出する業務に携わり、翻訳やアテンド業を行う。 出版広告業界を経て、不動産業界の広報・採用業務に携わり、40歳目前に違う世界を見てみたくなりワイン業界へ転身。イタリアワインのエチケットを理解したいと思いイタリア語を習い始めたことをきっかけから最終的に41歳の冬にイタリアに渡り、現在で6年目に至る。 AIS認定ソムリエ、WSET Level2(ワインを理解するうえで不可欠な知識を得ることを目指すイギリスの資格)。

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