イタリア時間「日曜日は動物園へ」

イタリア時間でびとくらし

イタリア生活で見つける「びとくらし」

イタリアでの日常生活の中にある、すこしだけ幸せに感じたり、すこしだけリラックスできたりするような「びとくらし」的な出来事を、マルケ州アンコーナ住まいのライターが紹介します。

イタリアに暮らす彼女の話しを聞いていると、度々、イタリアでは日本と全く違う時間が流れているように感じることがあります。しかもとても豊かな時間でした。時間の流れの違いの中に豊かさの理由が隠されているように思えてなりません。ぜひ、この理由を一緒に探してみませんか?

待っていた秋晴れの日曜日

10月に入ってから不安定な天気が多く、なかなかスッキリしない毎日が続きました。
夏休みが終わり子どもたちはようやく学校生活に戻ることができ、仕事に出る大人たちもようやく一安心の秋の始まりを迎えたわけですが、天候はというと晴れていたかと思うといきなりやってくる集中豪雨。
挙げ句の果てには雹が降り、家屋や車などに危害を及ぼす事態まで起こり、年々激化する天候不順に不安を感じたものです。
そんな10月の半ば、どうしても晴れて欲しい日曜日がありました。
なぜかと言うと初めて「動物園」に行く予定の日だったからです。
この動物園、マルケ州唯一のもので、しかも我が家から目と鼻の先にあるのですが、いままで行く機会がなく初めての見学。

そのきっかけとなったのは、友人夫婦がイタリア式でお二人それぞれの誕生日会を開かれ、それにご招待を受け参加したことから。
イタリア式のお誕生日会は、基本的に「お祝いされる人」が会を企画し、ホスト・ホステス役で招待客をもてなしてくれます。 お二人のそのもてなしぶりにいたく感銘を受けた我が夫(イタリア人)が、しっかりとお礼をしなくてはと、自宅にお招きしてお食事を楽しんでいただくのはどうかと提案したのが始まりです。
イタリアではこの様に誰かの家で食事を楽しむ機会も驚くほど多くあります。複数の友人たちが誰かの家に集まることもよくありますし、日本よりも頻繁に人の家に行く機会があるように感じられます。
そして休日の食事に関しては、大体の場合が「家族単位」か「カップル単位」での行動です。
確かに家族全体で行動するのならば、外のお店で食事をするよりも、どちらかの自宅で会うという方が簡単ですよね。

このご夫婦にはまだ2歳のお子さんがいらっしゃり、せっかく我が家までいらっしゃるのならば、お子さんのためにも動物園にでも行ってみようか、今回の予定が立てられたわけです。

イタリアの動物園、想像していたより…

さて、当日。突き抜ける様な青い空が眩しい素晴らしい秋晴れに恵まれました。
こんなに天気が良いのならば、きっと動物園もお客さんでいっぱいなのじゃないかな、と思いながら駐車場へ。
停まっている車は10台程度と、少し拍子抜けする状況でしたが、大抵の場所では日本ほどの混雑に出会わないのもイタリアの良いところのひとつ。あと、予定を前もってきっちりとフィックスさせないという国民性もあるのかも知れませんね。予定をギリギリに決めることもよくありますので。

本題の動物園はどんな風なのかと言いますと、動物の種類は恐らく日本の有名動物園より少ないでしょうが、キリンやライオン、トップ写真のカバなども居てかなり見応えがあります。
彼らはオリの中にいるものの、ひとつひとつのオリの敷地がかなりゆったりとしていることと、大型動物の場合はオリの中に1匹か2匹のみがいる仕組みになっている様で、私が今まで見てきた動物園の動物たちよりもストレス低めで暮らせていそうに見えます。
丘の中腹にある動物園ですので、園内は常に傾斜しており下がり道になる行きはヨイヨイですが、帰りはコワい状態。でも、かわいい動物たちが見れるので子供たちは大興奮ですし、イタリアの動物初体験の私も十分楽しむことができました。
この動物園がなぜ私達の街に存在するのか、そのきっかけはわかりません。私の住む街はイタリア的に見ると新興住宅街の様な位置づけで、田舎でもなければ自然が溢れた場所でもなく、かといって人がたくさん集まるエリアでも無いのです。
と、思いながら動物園を後にして、ふと道路向こうの景色を見ると、そこにあったのは空と畑とアッペンニーニ山脈、あと刈り忘れられたひまわりが一本。牧歌的で自然が溢れていました。
何度も言いますが、このエリアは私が快適に暮す街エリアから車で2分もかからない場所です。

人が住む場所とこのおおらかな自然がこんなに近くに位置している、これがイタリア生活の醍醐味のひとつなんだよな、と改めて実感した日曜日の朝でした。

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Atsuko Niwa 丹羽淳子

イタリア マルケ州在住。現在はワインや蜂蜜を日本に輸出する業務に携わり、翻訳やアテンド業を行う。 出版広告業界を経て、不動産業界の広報・採用業務に携わり、40歳目前に違う世界を見てみたくなりワイン業界へ転身。イタリアワインのエチケットを理解したいと思いイタリア語を習い始めたことをきっかけから最終的に41歳の冬にイタリアに渡り、現在で6年目に至る。 AIS認定ソムリエ、WSET Level2(ワインを理解するうえで不可欠な知識を得ることを目指すイギリスの資格)。

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