写真で日常を切り取る、びとくらし
「びとくらし」サイトトップのメイン写真をご提供いただいている、嵐祥子さん。
写真家ならではの視点や、景色の切り取り方、毎日の暮らしぶりを写真と文章で伝えいただきます。
「お休み」
初秋の天気予報で発表されていたとおり、今年の紅葉はゆっくりと色づいています。
夏ごろは他人事のように思っていた「Go To トラベル」…そういえば今年に入ってから、まだ一度も旅行が出来ないままでした。
気候が良い季節になったいま、お出かけ気分が上昇。我が家もキャンペーンを利用してみよう!ということになりました。
自宅から身近な旅行先といえば、兵庫県の離島、淡路島。
この島への旅行については、2019年2月の記事「旅の記憶と記録」で一度書きましたが、今回の行き先は本州側に近い「淡路夢舞台」という海のそばの複合施設です。
その敷地内には、宿泊ホテル、海が望める展望テラス、「奇跡の星の植物園」、「国営明石海峡公園」などが隣接し、散策を楽しめるようになっています。
20年前に開催された「国際園芸・造園博」の跡地で、整備された遊歩道の脇にはたくさんの植栽があり、ひとつひとつをじっくり観ていると、一日では周りきれないとても広いところでした。
幸い、旅行中はすこし暑いくらいの行楽日和に恵まれ、まぶし過ぎるほどの太陽のもと、きれいな景色を観ることができました。
散策していると、赤や黄色に色づいた大小の落ち葉、初めて見る季節の花や実、そこへ集まってくる昆虫にたくさん出会い、身近に観察することができました。
前を歩く人の秋物のコートのすそが、風にふわりとひるがえったのを見て「自粛中には想像できなかった爽やかな風だな」とうれしく、旅の空気をしっかりと味わいました。
ホテル内は密接にこそなりませんが、コロナ禍で島に移転して来た企業のビジネスマン、小さい子どもをつれた三世代家族のご一行、レセプションに参加するであろうオシャレをしたゲストの方々など、行き交う人たちでにぎわっていました。
その人たちの話す声がロビーの高い天井に反響し、ざわめいているのを聞いて、観光地に活気が戻って良かったなぁと思いました。
部屋に準備された、ホテルらしいパリッとしたパジャマと良い香りのアメニティ。
大きい窓から見える暗い夜の海に、蛍のように点滅する夜釣り船のライト。
それを眺めながら飲んだ地ビールに、おやつは島の名産タマネギを使ったスナック。
すこし歩き疲れていたものの、非日常の空間に癒され、充電をさせてもらいました。
さて、つかの間の休養が終わり、帰って来て待っていたのは山盛りのお仕事。
旅行の余韻に浸る間もなく、すぐにいつもの毎日に戻りました。
繁忙期でバタバタしている日々は、まだしばらくはつづく予定。
次のお休みを楽しみに、駆け足でがんばろうと思います。