bitokurashiの主宰者小林朗子さんは整理収納コンサルタント。
単に住まいの整理を助けるという役割で終わるのではなく、整理するターゲットを住まい、ひと、街とへと広げ全体を俯瞰し、ひとの暮らしについて深く研究されています。
このコーナーでは小林さんが考える整理収納とは、彼女が提案したいbitokurashi (美徳と暮らし、人と暮らし)とは何かをライターによる書き起こし形式でご紹介します。
みなさんが、このbitokurashiの思いを感じてくださりますように。
※当サイトの主宰に対してインタビューを行い記事にしています。よって、敬称を使用しています。
「おかたづけ」を広める
おかたづけの仕事をはじめて、通常のご家庭はもちろん、高齢世帯や単身世帯など、数多くの方々が家の整理収納に困っていらっしゃるということを肌身を持って実感しています。
その状況を同じように把握されている企業様とタイアップを組み、新しくおかたづけプロジェクト事業を開始することが最近決まりました。
もともとこの企業様からの依頼も受けて、利用者の方のご自宅へのお片付けを何件か担当させていただいているわけですが、私一人だけが行うにはそのニーズが多すぎること。また前のコラムにも書いたようにかなりの重労働となるため、どうすれば作業をスムーズに進められるか?ということを考えたところ、一緒におかたづけを進めてくれるメンバーを育成しよう!ということになり、今回のプロジェクトを開始するに至りました。
ケアホームや高齢社施設を経営されている企業とのコラボレーションですので、入居者の方たちの暮らしについての理解はとても高く、住まいや所有物への問題にも常に取り組まれています。それだけ必要性に駆られた内容であるということで、社内スタッフの方を割いていただき「おかたづけメンバー」となってもらうわけなのですが、この「びとくらし」でも数多く紹介している私が実践するおかたづけの方法を皆さんに対してセミナー方式でレクチャーさせて頂いています。
uh_yeah_20101995によるPixabayからの画像
ノウハウよりもコミュニケーション
時間数にして40時間。前半はおかたづけのメソッドの理解と実践、シミュレーションを行い、後半は住まいに関する問題に対応されている専門家の方々からレクチャーいただくというカリキュラムになっており、前半については、私と受講者さんたちとのワークになります。
整理収納といえば、やはりみなさん「モノの収納の仕方」を勉強すると想像されていたようなのですが、私がお伝えすることは、収納方法ではなく会話を通しておかたづけを進めることが大前提に在るということ。お話しを通して、持っているものの中で何が大切で、何を大事にしておきたいか、ということを把握することで自ずと手離すものは決まってくる。
残しておくものが決まった段階で、見せたい度や使う頻度によって、その収納場所や方法を考えれば良いのです。
この作業を円滑に進めるために必要なポイントが数点あり、そこを皆さんには学んで頂いています。
おかたづけという仕事を一緒に行ってもらうために、私が実践するおかたづけ法を共通言語化して平たく伝えることは今回、私自身にとってもはじめての経験。そして改めて感じたことがひとつ。
「相手とのコミュニケーション無しでは、私が理想とするおかたづけは完成しない」ということ。
モノには心も気持ちもありません。それを持つ人がどのように思っているかが大切です。そのため、モノを整理収納するためには、その持ち主の方の気持を聞くことが重要なのです。
そしてコミュニケーション、会話をするということは決して簡単なことではありません。質問の仕方一つで答えは変わってきます。また、会話は言葉だけではなく相手の表情を見ることもとても大切です。
整理収納の方法に正解というものは存在せず、その意図に沿ったおかたづけができているのならば良いと考えています。
おかたづけをどのように収めるかも、おかたづけをサポートする私たちスタッフたちの力量にかかっています。聞いて差し上げるべきことがちゃんと聞けているか、答えやすく的確な質問をしているか、話しやすい雰囲気が作れているか などなど。
収納ケースを使ってモノを仕分けるのは簡単ですが、会話をして進めていく私のメソッドはもしかしたら少しハードルが高い方法なのかも、ということを、今回の講習を経てはじめて気づいた次第です。
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会話することって、いちばん大切なことかもしれません。日本人の方はなかなか本音も言わないでしょうし、まず作業に入るまでにもなかなかな時間がかかりそうですね。だからこそ、利用者さんの信頼度や満足度が高いおかたづけが提供できるのでしょうね。
11月1日公開予定の次回では、
お楽しみに。
みなさんも小林さんに質問したいことがありましたら、ぜひメールやインスタグラムでのDM、メッセンジャーなどでお送りください。
聞き手と書き手:Atsuko Niwa