写真家からみえる景色

「長い梅雨」

写真で日常を切り取る、びとくらし

「びとくらし」のトップのメイン写真をいつもご提供いただいている、嵐祥子さん。
いつもの日常も切り取り方、感じ方次第で特別な日になることもたくさんあります。
そんな切り取り方を少しのぞかせていただきます。

「長い梅雨」

紫陽花が今年もきれいに咲いたなぁと思っている間に梅雨入りし、雨やくもりの日がつづきました。

朝起きて窓をあけると、目の前の山に雲が降りてきていて、その景色はぼんやりとモヤがかかって見えていました。
今日も湿度がとても高い、と、すぐに窓を閉めてエアコンのスイッチを入れています。

雨の日。
日常に追われていると、ゆっくりと景色を楽しむ気持ちには、なかなかなれないかもしれません。それでも雨の中、草木たちのみどりいろはしっとりと落ち着いて、そのときにしか見られないうつくしさが広がっています。

くもりの日。
太陽が雲にかくれていると、とどく光がやさしくなり、影とのコントラストがやわらぎます。写真撮影で太陽の位置を気にしなくてもよく、助かることが多くありました。

でも天気予報にずらりと雨マークが並び、あまりに梅雨らしい天気ばかりだと、さすがに心身ともにこたえます。

訪れたことのある場所が、大雨で大変そうだと知ると、昨年と同じような豪雨災害が起こるのではと、気持ちが落ち着きません。

たまに太陽が顔を出すとひどく暑く、野外で過ごすのがほんとうに厳しくなったねと、近しい人たちと話しています。

歩きすがら「撮りたいな」と思う光景を見たとき、いつもならサッとカメラを手にするのですが、この7月は「今日は無理だ…」と、何度も手が止まっていました。

先日、うれしいことにカフェの雨の日サービスで、思いがけずドリンクを割引きしてもらえました。

暑い日のお祭りで配られたうちわやおしぼりが気持ちよかったり、夏野菜をどっさりいただいたり、家の冷蔵庫には常に冷やされたビールがあったり。

誰かから少しずつ元気をもらって過ごすあいだに、記事を書いている今日、西日本では梅雨明けが発表されました。

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Shoko Arashi 嵐祥子

2009年、デジタル一眼レフの面白さを知り「写真を撮ること」に興味を持ち、写真表現大学で作品制作を学ぶ。 その後、ウェディングフォトに従事、2012年からフリーランスカメラマンとして活動中。2015年から一児の母です。

https://arashishoko.localinfo.jp

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