写真家からみえる景色

「忙しさの中で」

写真で日常を切り取る、びとくらし

「びとくらし」のトップのメイン写真をいつもご提供いただいている、嵐祥子さん。
いつもの日常も切り取り方、感じ方次第で特別な日になることもたくさんあります。
そんな切り取り方を少しのぞかせていただきます。

「忙しさの中で」

日本の暦では、一年の終わりを迎える12月。
道ゆく人びとがすっかり冬物のコートで装い、寒い冬が到来しました。

クリスマスソングとともに、おおきなツリーやイルミネーションが、ショッピングモール、ホテルのロビー、百貨店、近所の商店街など、街のいたるところに飾られています。

そのオーナメントは豪華なもの、ひかえめなものとさまざま。それぞれにキラキラ輝いているのを見ながら、歩くのが楽しい季節です。

そして、この時期にもうひとつ歩くお楽しみは、道に広がる落ち葉です。
盛大に積もった枯葉の感触はなんとも言えず、その上を歩くたびに「カサリ、カサカサッ」と乾いた音がして、子どもたちも楽しそうに踏み鳴らしています。

ある日の仕事に向かう途中、住宅街を歩いていると「ザッ、ザッ、ザッ」と小気味いい音が聞こえてきました。
その音の方向を見ると、住人のかたが落ち葉をほうきで、掃き掃除をされていました。

むかし子どものころにお手伝いで、同じように家の前の落ち葉を掃いていたなと、なつかしく思いました。

こころの中で「この時期の掃き掃除、ほんとうに大変ですよね…」と思いつつ「でも落ち葉を掃く音って、すごく良い音だな」と、耳を澄ましました。
つかの間に聞いただけですが、リズミカルな音がいまも耳に残っています。

忙しい日々の中にとけこんでいる、作業する時間や習慣。
わたしもそんなふうに、家のことに使う時間をもう少しつくれたら、我が家は片づくのかも?と、ちょっぴり今年を振りかえりました。

年が明けたからといって、自分がリセットされるわけではないのですが、それでも毎年、新たな気持ちになります。
お正月に向けて、おせち料理やお餅、お年玉の準備、年末のご挨拶と、いつもと違う特別なことを一つ一つたどっていくあいだに、いつの間にか気持ちが整理されているのかもしれません。

また良い一年が迎えられますように、新年までの時間を大切に過ごしていきたいと思います。

当サイトの画像やイラスト、文書等の無断転載・無断使用はお断りいたします。ご使用をご希望される場合はお問い合わせください。

Shoko Arashi 嵐祥子

2009年、デジタル一眼レフの面白さを知り「写真を撮ること」に興味を持ち、写真表現大学で作品制作を学ぶ。 その後、ウェディングフォトに従事、2012年からフリーランスカメラマンとして活動中。2015年から一児の母です。

https://arashishoko.localinfo.jp

記事一覧を見る

カテゴリー内の最近更新された記事

  • vol.15 暮らしを整えてQOLを高める提案

    高齢期におけるモノの「整理収納」の方策

    高齢者の「整理収納」において、高齢者一人では難しい作業も、サポートしてくれる誰かがいれば「できる」ことが増えます。高齢者の「整理収納」は、高齢者と、家族と、周囲の人々と、みんなで向き合うテーマだと考えます。

  • vol.14 高齢者の「整理収納」の課題と特性

    本研究を通して分かった高齢者の「整理収納」の課題

    本研究を通して、高齢者の「整理収納」における様々な課題が明らかになりました。少子高齢化が進行する日本において、課題に対する解決策や高齢者の「整理収納」作業をサポートする方法を考えてみましょう。

  • vol.13 高齢者と共に「整理収納」をして分かったこと

    高齢者の「整理収納」の特性とは

    モノの処分の判断や、整理の進め方などの片付けの作業において、高齢者特有の性質はあるのでしょうか。実際の作業を通して、高齢者と他世代の「整理収納」の違いを読み解きます。

  • vol.12 新しい住まいと整理収納の工夫

    高齢者施設での生活を読み解く

    「住み替え」経験者の現在の施設での暮らしについて紹介しています。「住み替え」時の準備や持参品など、様々なヒントを得ましょう。

  • vol.11 住み替え経験者の声

    住み替えのきっかけとモノの整理

    今回は、自宅から施設への住み替え経験者の話をもとに、住み替えを決断したきっかけや、家の処分・モノの整理方法についてまとめています。

  • vol.10 高齢期に住みたい場所

    「遺品整理」の経験から読み取る「生前整理」の必要性

    高齢になった時にどこで暮らしたいか、生前にどのような整理を行いたいか、家族に何を残したいか。「生前整理」はモノの整理だけでなく、住み替え場所を決めることや、家族に自分の意志を伝えることも含まれると考えます。

  • vol.9 高齢期の「整理収納」に関する意識調査

    人生の最期に向けた準備や意識

    身の回りのモノの整理や遺産相続についてなど、生前に自分がしておきたいことを考える時間はとれていますか。アンケート調査から「終活」の準備への意識を読み解きます。

  • vol.8 遺品整理業者に聞く「生前整理」の準備

    遺品整理の実情とは

    高齢者が行う「生前整理」と遺族が行う「遺品整理」。終活は、高齢者本人だけでなく、家族みんなで取り組むテーマです。

  • vol.7 高齢者住み替えアドバイザーが語る高齢期の整理

    高齢者の「住み替え」のタイミング

    高齢者の「住み替え」はどのようなタイミングが良いのでしょうか。また「住み替え」に伴うモノの移動や処分はどのように行われるのでしょうか。高齢者住み替えアドバイザーから学びます。

  • vol.6 「モノ」への意識に関する調査

    家の中のモノの量とモノを捨てること

    家の中のモノの量やモノを捨てるということに関して、アンケートをもとに性別や年齢別に比較しています。家の中でどのようなモノが多く存在し、どのようなモノが捨てられないのでしょうか。

  • vol.5 暮らしのなかのモノの変化

    「生活財生態学」とは?モノを生態学的にとらえる

    戦争や産業の発展などの社会情勢の変化は、家庭内のモノにも大きな影響をもたらしていました。日本の家庭に保有される生活財を調査した「生活財生態学」の研究から、モノの変遷を読み解きます。

  • vol.4 「整理」に関する書籍の変遷

    書籍から読み解く「整理収納」への関心

    今では広く使われるようになった「断捨離」や「終活」といった言葉は、いつ誕生したのでしょうか。「整理」に関する出版書籍から、時代とともに変化する言葉やターゲット層について読み解きます。