コーヒー時間

コーヒーができあがるまで

コーヒーは日々の暮らしの中でどのような存在ですか。

コーヒーを飲む時間のつくり方や、コーヒーを飲みたくなるタイミングが人それぞれ異なるところにコーヒーの魅力に感じます。

ひとつコーヒーとは言っても、豆選びから焙煎、挽く、淹れる、そして飲むという中で、どの部分が自分とコーヒーが関わる接点として大切にしているのかも人それぞれ異なります。
そして、コーヒーの味や香りの好みも人それぞれ異なる点もまた魅力です。

今回、神戸の北野工房のまち(旧北野小学校)にお店があるカフェ ラヴニールの店主橋本氏にお話をお伺いしました。橋本氏は、兵庫県知事表彰、全国第3位のスペシャルティコーヒー焙煎人としても知られています。

生豆のはなし

普段目にする褐色のコーヒー豆は、すでに焙煎された状態の豆です。
「コーヒーノキ」の果実は品種によって様々な色があります。よく見かける色は赤色ですが、赤色以外にも黄色やピンク色、オレンジ色があります。(詳しくは次回以降にお伝えします)

焙煎のはなし

焙煎は生豆を炒る加熱作業です。
コーヒーは個性を引き出す焙煎の仕方が味わいのポイントになります。(詳しくは次回以降にお伝えします)

コーヒーの保管のはなし

挽いた豆はなるべく早く使うのが鉄則です。
卵だと、使う前に卵を割った方が良いですね。コーヒー豆も同じです。
挽いた豆は、表面積が広くなり、香りの抜けや特にオイル成分の酸化が起こりやすい状態です。
酸化すると味は不快な酸っぱさが出ます。

コーヒーは、温度を10度下げると香りの保ちが2倍になると言われており、低温保管が良いです。
冷凍庫で保管すると結露しやすくなるので、一度冷蔵庫で温度を上げてから使用する方が好ましい。
冷凍、冷蔵では豆が冷たくなるので、注ぐお湯の温度を下げてしまいます。
すぐに飲み切る場合は、常温での保存が望ましい。

良い状態で飲むには豆のままで保管し、使用する分だけ挽くのが好ましいのです。
ミルを使用しない場合には、一週間程度使う分だけその都度挽いてもらって保管しておくと良いです。

豆を挽くはなし

コーヒーが抽出される仕組みは、コーヒーのハニカム構造にあります。
ハニカム構造とは蜂の巣状の空洞です。
お湯がコーヒーのハニカム構造を通る事によって抽出され、コーヒーの味わいができます。

コーヒー豆をどのような刃で挽くかによって、コーヒーの味も変わります。

刃の種類は大きくわけて二種類あり、「臼刃(コニカル)」と「平刃(フラット)」です。

・臼刃(コニカル)
 砕いて面取りしていくイメージ
  断面が多くなるため抽出効果は高い
 
・平刃(フラット)
 スライスするイメージ
 コロニカルに比べて微粉が少ないので雑味が出にくい
 雑味が出ない
 
このように刃により、どのような形状に粉末になるかによってコーヒーの味にも差が出ます。。
ミルも「刃」の性能によって金額が変わってくるので、その点を気にして選ぶ必要があります。

コーヒーが「嗜好品」であるということ

コーヒーは豆選びから、焙煎、挽く、淹れるに至るまでのひとつひとつの過程が、人それぞれの思考であり、嗜好品ですね。
これらの過程の中で、自分好みのコーヒーの楽しみ方を見つけて、暮らしの中でより心地良いコーヒー時間を過ごしたいですね。

今回は「コーヒーができあがるまで」第一回目を伺いました。次回は「生豆」「焙煎」についてお話します。


カテゴリー内の最近更新された記事

  • vol.9 高齢期の「整理収納」に関する意識調査

    人生の最期に向けた準備や意識

    身の回りのモノの整理や遺産相続についてなど、生前に自分がしておきたいことを考える時間はとれていますか。アンケート調査から「終活」の準備への意識を読み解きます。

  • vol.8 遺品整理業者に聞く「生前整理」の準備

    遺品整理の実情とは

    高齢者が行う「生前整理」と遺族が行う「遺品整理」。終活は、高齢者本人だけでなく、家族みんなで取り組むテーマです。

  • vol.7 高齢者住み替えアドバイザーが語る高齢期の整理

    高齢者の「住み替え」のタイミング

    高齢者の「住み替え」はどのようなタイミングが良いのでしょうか。また「住み替え」に伴うモノの移動や処分はどのように行われるのでしょうか。高齢者住み替えアドバイザーから学びます。

  • vol.6 「モノ」への意識に関する調査

    家の中のモノの量とモノを捨てること

    家の中のモノの量やモノを捨てるということに関して、アンケートをもとに性別や年齢別に比較しています。家の中でどのようなモノが多く存在し、どのようなモノが捨てられないのでしょうか。

  • vol.5 暮らしのなかのモノの変化

    「生活財生態学」とは?モノを生態学的にとらえる

    戦争や産業の発展などの社会情勢の変化は、家庭内のモノにも大きな影響をもたらしていました。日本の家庭に保有される生活財を調査した「生活財生態学」の研究から、モノの変遷を読み解きます。

  • vol.4 「整理」に関する書籍の変遷

    書籍から読み解く「整理収納」への関心

    今では広く使われるようになった「断捨離」や「終活」といった言葉は、いつ誕生したのでしょうか。「整理」に関する出版書籍から、時代とともに変化する言葉やターゲット層について読み解きます。

  • vol.3 高齢社会の実態-家族構成と一人暮らし-

    高齢社会の実態をデータから読み解く

    日本の高齢社会の実態を理解したうえで、高齢者の「整理収納」における課題を考えます。

  • vol.2 既往研究から探る -高齢者と住み替え-

    「高齢者」「住み替え」「モノの整理」に関する先行研究のまとめ

    高齢者の住み替えやモノの整理に関して、これまでの研究ではどのようなことに着目し、どのような結論を見出しているのでしょうか。過去の研究内容を分かりやすくまとめました。

  • vol.1 高齢社会における「整理収納」

    高齢期に向けた整理収納の課題とQOL向上のヒント

    暮らしにあふれるモノは、人生の節目ごとに見直しが必要です。高齢期には生前整理や遺品整理と向き合う場面も増えますが、自分らしく整えることが、安心と心地よい暮らしにつながります。

  • bitokurashiリニューアルのお知らせ

    みなさま、はじめまして。あるいはお久しぶりです。「bitokurashi.com」をご覧いただき、ありがとうございます。 2017年7月にスタートした「びとくらし」は、2025年9月に内容やコンセプトをリニューアルをさせ […]

  • 今月の旬を味わう「みかん」

    季節がかわるごとに、いろいろな食材を目にします。 「旬」の食材をいただくことは、その美味しさはもちろん、自然に共調し心身ともに健やかにしてくれます。 しかしながら、毎日を慌ただしく過ごしていると、いつの間にか時間が目の前 […]

  • イタリア時間「年の終わりは忙しなく」

    イタリア生活で見つける「びとくらし」 イタリアでの日常生活の中にある、すこしだけ幸せに感じたり、すこしだけリラックスできたりするような「びとくらし」的な出来事を、マルケ州アンコーナ住まいのライターが紹介します。 イタリア […]