アートなマルシェat KOBE

神戸アートマルシェ

同時代に生まれる新しい才能の発信と、神戸のアートシーンの活性化を目的としたホテルアートフェア「神戸アートマルシェ」へ足を運んでみました。
開催期間は2016年9月30日〜10月2日の3日間でした。

このアートフェアの特徴は、ホテルの客室をギャラリーに見立てて作品を展示するアートです。
2009年から始まったこのイベントの会場は「ザ・神戸」らしい場所の一つ「神戸メリケンパーク オリエンタルホテル」の13階のフロアすべてを会場としています。

身近に住んでいると、ホテルに泊まることがありません。身近なようで、遠い存在のようなホテルです。
地元との距離を少し縮められることのできるこの会場での開催はとても面白いですね。

会場に行く前には、神戸といえばというほどのメジャースポット「神戸ハーバーランド」付近をお散歩してみました。
とても快晴で神戸タワーの赤とメリケンパークホテルの白が青いそらにくっきり浮かびあがってとても素敵な景色を眺められました。

img_8925

改めて、神戸という立地に関心が湧いてきます。

今回の会場となった、神戸ハーバーランドに少しふれておきます。

1982年(昭和57年)に東海道本線貨物専用の支線であった駅、国鉄湊川貨物駅が営業終了し、開発がどんどん進みました。1990年から様々な施設がオープン、1992年に神戸ハーバーランドが街びらきを行いました。その後は1995年(平成7年)阪神大震災にて営業休止となりましたが、復興し、また時代の変化とともに様々に変化を遂げています。

神戸港には船舶と貨物を輸送する為に、この地ならではの支線があり、その面影は今も随所に残されています。もちろん周囲を見渡せばまだまだ倉庫や様々な工場が立ち並んでいるのは一目瞭然です。
この景色をみながらふと「華麗なる一族」を思い出してしまいました。

 

img_8930

会場の「神戸アートマルシェ」へ

神戸メリケンパーク オリエンタルホテルへ入り、エレベータホールへ向かいます。
そして、そのままエレベーターで13階へと進みます。
受付を済ますと、いよいよ展示会場へ足を踏み入れていきます。

13階のフロアの各部屋が展示スペースになっているというのは、下の写真の通り、各部屋ごとにアーティストの方々が展示しています。

 

アートマルシェ会場

各部屋が開いていて、好きなアーティストの方の部屋に入っていきます。

ホテルの部屋はそのままの空間です。家具など部屋の中にある家具はそのまま使用しなければならないようで、アーティストのみなさんは個々に上手に展示スペースをつくりあげていました。
大胆にも別途は立てかけて布で隠している方もいらっしゃいいました。
限られた空間の中で、展示の仕方はひとつのアートでした。

下の写真は実際にアートを展示している光景です。
(アートの撮影可否については、アーティストさんごとに異なる為確認が必要です)

デスクやテレビカウンター、ベッドの上

アート展示

img_8949

ベッドのサイドテーブル

アート作品

 

アート作品

ベッドの頭上の黄色い壁にかけているものも、今回展示されたアート作品です。
既に元からあったように馴染んでいます。

アートを制作された方やギャラリーを運営されている方に直接お話しを伺う機会は、頻繁にあることでは無いので、様々なお話を伺えて、とてもアートを身近に感じられ、様々な刺激をいただきました。
アートの種類も様々で、絵画だけでなく、オブジェや陶器、帽子など様々な展示がありました。

このような機会を通じて、アーティストさん個人の次の展示のお知らせをいただけたり、新たな出会いが増えていきます。今回の「アートマルシェ」の特徴は展示中のアートで販売中の作品も多く、その場で購入することができます。
普段何気なく、見ているアートも好きですが、アーティストの方との交流は新たなアートとのふれあえる時間でした。

まさしく「ソーシャルアート」ですね。

「アートマルシェ」は地域活性化という目的はあるものの、その公共の空間を使用してアートを表現する点で「ソーシャルアート」と言えますね。ソーシャルアートは一見自由に表現できるようでそうではない。ということです。ソーシャル(社会)のルールがあってその中で表現することを要求されます。美術館や特別な場所とはまた違った分類のルールがあります。
ソーシャルアートの場合、調整先が公共機関であったり、屋外であれば街のルールがあり、様々な場所に伺って調整することが多々あります。今回のようにホテルでの開催もホテル側とのルールがあった上で成り立っている。という点にすごく興味深いです。
何気なく自由にアートを表現しているようで、社会とのかかわり方が一番必要となり、コミュニケーションももちろん重要な要素です。その点が含まれているのが「ソーシャルアート」だとです。

マルシェを出る頃には日が暮れて、夜景の神戸に変身。
「神戸メリケンパーク オリエンタルホテル」を出てすぐ、駅に向かう道からこんなきれいな景色を眺めつつ、新しい刺激と心地よい神戸の景色を眺めながら、また来年も訪れたいという思いで帰路につきました。

 

神戸夜景

——————info
神戸アートマルシェ
http://www.art-marche.jp/


カテゴリー内の最近更新された記事

  • 今月の旬を味わう「みかん」

    季節がかわるごとに、いろいろな食材を目にします。 「旬」の食材をいただくことは、その美味しさはもちろん、自然に共調し心身ともに健やかにしてくれます。 しかしながら、毎日を慌ただしく過ごしていると、いつの間にか時間が目の前 […]

  • イタリア時間「年の終わりは忙しなく」

    イタリア生活で見つける「びとくらし」 イタリアでの日常生活の中にある、すこしだけ幸せに感じたり、すこしだけリラックスできたりするような「びとくらし」的な出来事を、マルケ州アンコーナ住まいのライターが紹介します。 イタリア […]

  • 「掃除のちから」

    bitokurashiの主宰者小林朗子さんは整理収納コンサルタント。 単に住まいの整理を助けるという役割で終わるのではなく、整理するターゲットを住まい、ひと、街とへと広げ全体を俯瞰し、ひとの暮らしについて深く研究されてい […]

  • 今月の旬を味わう「柚子」

    季節がかわるごとに、いろいろな食材を目にします。 「旬」の食材をいただくことは、その美味しさはもちろん、自然に共調し心身ともに健やかにしてくれます。 しかしながら、毎日を慌ただしく過ごしていると、いつの間にか時間が目の前 […]

  • イタリア時間「まだまだ遠い日本」

    イタリア生活で見つける「びとくらし」 イタリアでの日常生活の中にある、すこしだけ幸せに感じたり、すこしだけリラックスできたりするような「びとくらし」的な出来事を、マルケ州アンコーナ住まいのライターが紹介します。 イタリア […]

  • 「使ってみてわかる良さ」

    bitokurashiの主宰者小林朗子さんは整理収納コンサルタント。 単に住まいの整理を助けるという役割で終わるのではなく、整理するターゲットを住まい、ひと、街とへと広げ全体を俯瞰し、ひとの暮らしについて深く研究されてい […]

  • 写真とエッセイ「アサギマダラに会いに」

    写真で日常を切り取る、びとくらし。 写真家ならではの視点や、景色の切り取り方、毎日の暮らしぶりを写真と文章で伝えいただきます。 スマートフォンの普及で写真を撮る機会が多くなった昨今ですが、何を写すか、どう感じるか、など、 […]

  • イタリア時間「幸せのはかり方」

    イタリア生活で見つける「びとくらし」 イタリアでの日常生活の中にある、すこしだけ幸せに感じたり、すこしだけリラックスできたりするような「びとくらし」的な出来事を、マルケ州アンコーナ住まいのライターが紹介します。 イタリア […]

  • 今月の旬を味わう「ざくろ」

    季節がかわるごとに、いろいろな食材を目にします。 「旬」の食材をいただくことは、その美味しさはもちろん、自然に共調し心身ともに健やかにしてくれます。 しかしながら、毎日を慌ただしく過ごしていると、いつの間にか時間が目の前 […]

  • 「私の考えるおかたづけ」

    bitokurashiの主宰者小林朗子さんは整理収納コンサルタント。 単に住まいの整理を助けるという役割で終わるのではなく、整理するターゲットを住まい、ひと、街とへと広げ全体を俯瞰し、ひとの暮らしについて深く研究されてい […]

  • 写真とエッセイ「森の道」

    写真で日常を切り取る、びとくらし。 写真家ならではの視点や、景色の切り取り方、毎日の暮らしぶりを写真と文章で伝えいただきます。 スマートフォンの普及で写真を撮る機会が多くなった昨今ですが、何を写すか、どう感じるか、など、 […]

  • イタリア時間「不合理な日常茶飯事」

    イタリア生活で見つける「びとくらし」 イタリアでの日常生活の中にある、すこしだけ幸せに感じたり、すこしだけリラックスできたりするような「びとくらし」的な出来事を、マルケ州アンコーナ住まいのライターが紹介します。 イタリア […]