旬の野菜でひとつきひとくぎり Italia編

「トマト」 イタリア料理編

旬の野菜、 Italia編をお届けします

毎月お届けしている「旬の野菜で、ひとつき、ひとくぎり」は、和食で「小鉢」になる料理を紹介していますが、「Italia編」では、ワインとあわせたイタリア料理をお届けします。
日本の料理とはひと味違った、イタリア料理での旬の野菜の楽しみ方を、ぜひお試しください。
併せて、その料理にあうワインもソムリエより紹介いただいています。イタリア料理とワインをセットでお楽しみください。

「トマト」イタリアでは日本よりも種類が豊富

暑い季節にさっぱりといただきたいトマト。

イタリアはもちろんトマトの名産地で、今や日本と同様一年を通して手に入れることはできますが、やはり夏に食べたい野菜の代表格のひとつです。

イタリアでは日本よりも種類が豊富に手に入るのも魅力の一つ。サラダには甘さがあり味わいがしっかりしている「ポモドーリチリエジーニ」を、またトマトソースには加熱しても煮崩れしにくい「サンマルツァーノ」を…食べ方によってトマトの種類を変えて調理されています。イタリアンマンマの多くは、サンマルツァーノが出回る時期にごっそりと買い込み、自家製ソースをたっぷり作っています。

いつでも好きな時に使えるようバゼット(瓶)に小分けにし、食品庫やガレージなどで保存しています。現に私のパートナーのマンマも、毎年サンマルツァーノを10㎏買い込み大量の瓶詰ソースを作っています。とてもシンプルなソースですが、ゆでたてのパスタにこのソースを絡めるだけで絶品パスタになる正に魔法のソース。生の野菜を保存食として食するための手法の一つとして誕生したソースだと思いますが、生食にも勝るとも劣らない美味しさです。

お料理は「Pomodori Gratinati/トマトのオーブン焼き」

トマトは切ってサラダ仕立てにして食べても十分に美味しいので、なかなか手をかけたお料理に仕上げることは面倒に思えるのではないでしょうか? ですので、今回は、ほんのちょっとだけ手をかけた『Pomodori Gratinati/トマトのオーブン焼き』のレシピをご紹介します。

このお料理をわたしが始めて戴いたのは、前出のパートナーのマンマがメイン料理のコントルノ(副菜)として作ってくれたものでした。

見た目はとってもシンプルなのですが、味わいは驚くほど豊か。オーブンでゆっくりと焼き上げられたからか、トマトの持つ酸味は殆ど感じず、甘味と旨味が凝縮されています。

また、果実の切り口の上に載せられたパン粉(今回はクラッカーを使っています)が、トマトの持つみずみずしさを逃さず、美味しさを閉じ込める役目をしているのでしょう。パン粉がこんがりと焼きあがり、トマトがちょっとクッタリとしたら出来上がりです。香ばしいパン粉の歯ざわりとアツアツトマトが口の中でとろけるコンビネーションが楽しめる一品。使うトマトは水分が少ない種類がおすすめです。因みに、トマトの他、ズッキーニや茄子、玉ねぎなど常備菜でも美味しく戴くことが出来ます。

・材料
4人分(主菜の付け合わせとしての分量)

トマト(大き目・水分少な目) 4個
クラッカー         100g
アンチョビ         2切れ
にんにく          1かけ
ケッパー          大さじ1
パルミジャーノレッジャーノ 10g程度
オレガノ          適量
エクストラヴァージンオリーヴオイル 適量
塩             適量
こしょう          適量

・つくり方
1. トマトは洗って横半分に切り(写真参照)、種の部分をとりのぞく。
2. クラッカーを細かく砕き、パルミジャーノレッジャーノをすりおろす。。
3. 2.にすりおろしたニンニク、細かく刻んだアンチョビとケッパー(塩漬けの場合は塩抜き要)、オレガノ、塩(クラッカーやパルミジャーノレッジャーノ、ケッパーの塩気に注意してください。)、こしょうを混ぜ合わす。
4. オーブンのトレーにオーブンシートを敷き、トマトを並べる。その上に、3を載せ、オリーブオイルを軽く回し掛けする。
5. 200℃に温めたオーブンで30分焼く。トマトがしんなりし、焼き色がついたら出来上がりです。

あわせたワイン

原産地 : イタリア ピエモンテ州
ワインの名前 : ALTA LANGA RÖSA Brut Millegimato 2013
ワインの種類 : DOCG Alta Langa
生産者 : Giulio Cocchi Spumanti Srl
アルコール度 : 12%
年度 : 2013 年

Alta Langa (アルタランガ)DOCGはメトドクラシコ(瓶内二次発酵)タイプのスプマンテ。フランスのシャンパーニュに倣い、1800年代中盤からピエモンテ州で生産が始まりました。使えるぶどう品種はシャンパンの主要品種と同様に、シャルドネ、もしくはピノネーロ(ピノノワール)が基本になります。ROSE(ロゼ)タイプのこのワインは100%ピノネーロが使われており、スパイス香や、ローザ・カニーナ(ローズピップ)、柑橘系の味わいが豊かで、途切れなく続く細かい泡が特徴的です。

・生産者の紹介
1891年にアスティで設立したピエモンテ州の中でも歴史のある有名なワインメーカー。元々菓子職人の方が始めたワイナリーでワインとしてはスプマンテのみを生産。ワインの他にお菓子に合わせるリキュールも手掛けています。COCCHIとしてのカフェテリア・バールもアスティの中心街に健在し、毎日多くのお客様でにぎわう名店です。

・アビナメント
ワインの味わいをじっくりと楽しみたい、華やかな自己主張があるこのワイン。

ローザ・カニーナを感じる爽やかな果実感がトマトの凝縮した甘さと良く合います。砕いたクラッカーやアンチョビの塩気を細かく繊細な泡がさっぱりと洗い流し、その後に口いっぱいに広がる酸味とピリッとしたスパイス感があり長く楽しめる余韻が魅力的です。


文・写真/Atsuko Niwa


Atsuko Niwa 丹羽淳子

イタリア マルケ州在住。現在はワインや蜂蜜を日本に輸出する業務に携わり、翻訳やアテンド業を行う。 出版広告業界を経て、不動産業界の広報・採用業務に携わり、40歳目前に違う世界を見てみたくなりワイン業界へ転身。イタリアワインのエチケットを理解したいと思いイタリア語を習い始めたことをきっかけから最終的に41歳の冬にイタリアに渡り、現在で6年目に至る。 AIS認定ソムリエ、WSET Level2(ワインを理解するうえで不可欠な知識を得ることを目指すイギリスの資格)。

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