旬の野菜でひとつきひとくぎり Italia編

「黒キャベツ/カーヴォロネーロ」 イタリア料理編

旬の野菜、 Italia編をお届けします

毎月お届けしている「旬の野菜で、ひとつき、ひとくぎり」は、和食で「小鉢」になる料理を紹介していますが、「Italia編」では、ワインとあわせたイタリア料理をお届けします。
毎月同じ食材で日本とイタリアの料理をお伝えしています、3月は「黒キャベツ」です。
ソムリエの資格もお持ちの彼女ならではの、料理にあうワインを紹介いただいています。イタリア料理とワインをセットでお楽しみください。

カーヴォネーロはイタリア語では「黒いキャベツ」と呼ばれる冬野菜

私が日本に住んでいた時には、カーヴォロネーロなんて野菜は見たことも聞いたこともなかったのですが、今はそんなことは無いのでしょうか?
主催のAkikoさんからこのお題を戴いたときに、ふとそんなことを考えてしまいました。

ここイタリアでも11月から4月ごろまで出回る冬野菜として知られており、特にトスカーナ地方産のものが有名です。
冬場にフィレンツェに行かれたら、恐らくどこのリストランテやトラットリアでも「リボリータ」と呼ばれるトスカーナ伝統料理のスープが提供されています。
カーヴォロネーロと白いんげん豆を使った素朴なスープですが、ボリュームがあり冷え切った身体をしっかりと温めてくれるメニューで、私も冬場にフィレンツェに滞在した時はリボリータばかり食べていました。

カーヴォロネーロはアブラナ科に属し、癌や胃潰瘍、潰瘍性大腸炎の予防にも効果が見られ、また低カロリー野菜として位置づけられています。冬の霜が降りる頃に葉が柔らかく、甘みが増し味わい深くなり、また、春先の開花前にはブロッコリーの様な眼を食べることができるとのこと。調理方法は生食には向いておらず、かならず加熱が必要ですが、過度の長時間にわたる調理は、ビタミンの大部分を破壊することに加えて消化を悪くさせる働きがあり、また不快な臭いが発生する原因にもなりますのでお気を付けくださいね。
公設市場で束で売られているカーヴォロネーロ。これで2€程度。農家の人がその日の朝に摘んだ野菜を販売します。

お料理は「Cavolo nero saltato in padella カーヴォロネーロのフライパンソテー」

<苦みと歯ごたえが決め手、シンプル過ぎるコントルノ(副菜)メニュー>

どんなお料理をご紹介しようかと色々と探してみましたが、ほとんどがリボリータの様なスープメニューばかり。
素朴なスープに無理やりワインを合わせることはあまり私の好みではないので、今回はお料理の脇役になりますが副菜としてのメニューをご紹介します。
作り方はとっても簡単ですが、カーヴォロネーロの味わいがよくわかる一品です。にがみを和らげたい場合は、薄く切った玉ねぎや、湯がいたジャガイモを一緒に混ぜ合わせて炒めても良いかと思います。

・材料(4人分)
カーヴォロネーロ   500g
エクストラヴァージンオリーブオイル 大匙2
にんにく       1かけ
塩          適量
粉パプリカ      適量

・つくり方
1. カーヴォロネーロは約10㎝程度に切りそろえ、水でよく洗います。
2.フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ火にかけ、にんにくが色づいたら取り出し、カーヴォロネーロを入れます。
3.軽く塩をし、中火で2~3分炒めます。その後、約200㏄の水を入れ、フライパンに蓋をして15分蒸し焼きにします。その間、水分が無くなったら水を足すようにしてください。
4. 全体がしんなりとしたら、粉パプリカをふりかけ混ぜ合わせて出来上がり。

◆おまけレシピ
『Impanatura di petto di pollo e prosciutto cotto al forno : 鶏むね肉とプロシュット・コットのパン粉焼き』

・材料 (4人分)
鶏むね肉 薄切り 8枚 約500g
プロシュット・コット  150g (スライスハムで代用可能)
スライスチーズ  3~4枚
パン粉  適量
エクストラヴァージンオリーブオイル 大匙2
塩  適量
黒胡椒 適量
ローズマリー  適量

・つくり方
1. オーブン耐用の大きめの器(キャセロール鍋の様なものでもOK)の底にオリーブオイルを敷き、多めにパン粉をふりかけます。
2.鶏むね肉4枚を重ならないように敷き詰め、プロシュット・コット(もしくはスライスハム)とスライスチーズを載せます。その上に鶏むね肉4枚を重ねサンドします。
3. 塩、黒胡椒をまんべんなくし、ローズマリーをふりかけます。
4. 全体にパン粉をまぶし、オリーブオイルを軽くふりかけ、200℃に温めたオーブンで30分、上部がきつね色に色付いたら出来上がり。

あわせたワイン

原産地   : フランス リム― ランドックルーションエリア
ワインの名前: Guinot Blanquette de Limoux Brut Cuvée Reservée
生産者   : Guinot
アルコール度: 12.0%

リム―エリアは地中海から50kmほど離れ、ランドックルーション地方に位置する、比較的冷涼な気候で発泡性ワインが有名なエリアです。今回のこのワインはモーザック100%、シャンパンと同様の瓶内二次発酵で作られています。
色合いは軽やな金色を帯び、細かい泡が絶え間なく生まれ、香りはシロップ漬けの桃やリンゴの様な甘く熟したフルーツを感じることが出来ます。口に含むと、泡がぱちぱちとはじけ、トースト香やアーモンドなどナッツのような味わいが楽しめ、余韻も非常に長く残ります。

・生産者の紹介
3つの領域に分かれた26haに及ぶ畑を持ち、AOC / AOP Limouxの管理下にあります。
すべてのワインは自然発酵製法を用いた伝統的な方法で醸造され、彼らのクレマンとブランケットは、ブドウを手作業での収穫、伝統的な醸造、数品種のブドウ(シャルドネ、ケーニンブラン、モーザックなど)の掛け合わせを経て、手作業での瓶詰め作業、その後、澱引き作業を行います。 彼らは1875年以来この伝統を守っています。

・アッビナメント
主役のカーヴォロネーロとワインの相性ではなく、用意した一皿とのアッビナメントになります。
鶏むね肉自体は軽やかな味わいですが、かるく焦げたパン粉とローズマリーの香り、そしてとろけるチーズの食感が、口内で美しくはじけるスパークリングワインの泡ととても合い、またゆっくりと残るワインの余韻がお料理の味わいを引き立てます。
カーヴォロネーロのちょっとコクのある苦みと、ワインのコクも良いハーモニーを奏で、久々にとても良いアッビナメントが完成しました。

文・写真/Atsuko Niwa


Atsuko Niwa

イタリア在住。現在はワインや蜂蜜を日本に輸出する業務に携わり、翻訳、日本語教師なども徐々に行っています。

出版広告業界を経て、その後15年弱、不動産業界の広報・採用業務に携わる。40歳目前に違う世界を見てみたくなりワイン業界へ転身。イタリアに興味を持ったのは、様々な種類があり個性豊かなイタリアワインをよく飲む中で、イタリアワインについているエチケットが自分で読めたら、もっとワインを愉しめるのではないかと思いイタリア語を習い始めたのがきっかけ。 その後、3ヶ月間イタリア旅行へ行き、アモーレと出会い、41歳の冬にイタリアに渡り、現在に至ります。

AIS認定ソムリエ、WSET Level2(ワインを理解するうえで不可欠な知識を得ることを目指すイギリスの資格)。

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