美徳と暮らしでbitokurashi

整理収納コンサルティングとしての気づき

bitokurashiの主宰者小林朗子さんは整理収納コンサルタント。
単に住まいの整理を助けるという役割で終わるのではなく、整理するターゲットを住まい、ひと、街とへと広げ全体を俯瞰し、ひとの暮らしについて深く研究されています。
このコーナーでは小林さんが考える整理収納とは、彼女が提案したいbitokurashi (美徳と暮らし、人と暮らし)とは何かをライターによる書き起こし形式でご紹介します。
みなさんが、このbitokurashiの思いを感じてくださりますように。

※当サイトの主宰に対してインタビューを行い記事にしています。よって、敬称を使用しています。

引き算する整理収納の続き」です。まだお読みでない方はぜひリンクからご一読ください。

整理収納が必要な現場へ

大学院を修了した後に整理収納コンサルタントしてご依頼者のご自宅やオフィスをお片付けにうかがったり、整理収納に関するセミナーの講師としてお話しをさせてもらったり、また、実験的に行っているフィールドワーク的な取り組みも同時に進行する毎日なりました。
その一つにあるのが修士生時代から携わっていたもので、兵庫県にある老朽化と過疎化が進むマンモス団地の再生化計画です。修士生時代にいただいたご縁から、その計画を進めるメンバーとして参加していました。
団地を一つの街と見立ててその活性化を狙い様々なことが企画されていますが、住民の殆どがお年を召した方ばかり。入居者向けに整理収納のセミナーを開かせていただいたり、住まいのお悩みを伺う機会もあります。参加してくださる居住者の方も多く、整理収納は住まい手にとっては永遠のテーマであることを実感させられます。

フィールドワークと言えば、大学院時代の研究で高齢者施設にもお邪魔していました。
研究テーマが「高齢期における”もの”の整理収納の特性」であったことは、以前のコラムで書きましたが、もの引き算を研究したかった私にとって、施設に入居されるタイミングでどのように所有物の手放されるのか、また、その後、手元に残ったものについてどう感じてらっしゃるのか、などについて実際にお伺いする機会を得たのです。
思い出のあるものを手放さなければならなかった方々のお話しはとても興味深く、整理収納コンサルタントとしての私の指針の一つになり、また、Ofukuwakeという着物や帯のアップサイクル活動にもつながりました。

捨てることが難しい世代

高齢者施設での研究活動は、また新しい出会いを私に与えてくれました。
それはホームヘルパー(訪問介護)業の方とのコラボレーションです。
ホームヘルパーさんは、介護する方の為に提供できる業務が限られています。日常生活に直接的につながる事しかにお手伝いできないのです。ですので、使っていない物入れのおかたづけや、もう着ていない様な古いお洋服やお着物の整理などは手を付けることが出来ません。
ですので、整理収納コンサルタントとして、おかたづけを定期的にお手伝いさせていただことになりました。
ご高齢者の方のご自宅におかたづけ作業に伺うと、とにかく人生の長さに比例してか、所有されている”もの”がとても多いのが特徴です。
また、この世代の方の認識として、ものを簡単に手放す、処分することに大きな抵抗を感じられる方も少なくありませんし、リサイクル品として他の方に販売するなんてこともなかなか現実的な方法としては思い付きにくいものでしょう。
ですので、とにかく”もの”はたまる一方。
家の中が”もの”でいっぱい、でもどうしたら良いのか方法もわからないし、その上、かたづける体力も無いというご高齢者の方が多くいらっしゃることが理解できました。
また、それは「捨てる」ではなく「手放す」ことが難しいということです。

整理収納コンサルティングとしてのアプローチ

ご高齢の方のお住いだけに限らず「家がなかなかかたづかないから、おかたづけをしてほしい」との依頼で伺うお住まいでも、とにかく”もの”が多くて、家の中のあちこちに依頼者やご家族の大切なものが散らばっているという状況に幾度も遭遇しています。
増えていくものをどのようにどのようにかたづければ良いかわからず、そのままにしている。
でも自分が見せたいものや、お気に入りのものはとりあえず飾ってはみたものの、自分が思い描くような素敵な空間にはならない、と悩んでらっしゃるのです。
高齢の方が住み替えなどで荷物の選別に困られるのは、長い間ものを引き算せずに持ち続けている結果です。
こういう状況を目の当たりにすることで、結局、多くの方にとって、日常で”もの”を引き算し、整理収納することがどれほど難しい作業であるかということを知ることができました。
そこから、整理収納という作業について、みなさんに気づいていただきたいこと、お伝えしていくことを少しずつブラッシュアップしていき、いまの私の整理収納コンサルティングができあがりました。

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人は人生を終えるときには一人でこの世を旅立ち、何も持っていくことは出来ません。いつ自分の持っているものを整理するか、いざというときに慌てないように日頃からの準備が必要だということですよね。そう考えるとモノを手にするときの意識も変わりそうです。

7月1日公開予定の次回では、どの様に引き算をすすめていくのか、小林さんが勧める方法についてお伺いしたいと思います。
お楽しみに。

聞き手と書き手:Atsuko Niwa

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Akiko Kobayashi 小林 朗子

不動産関係の企業数社にて広告・広報業務を担当、在職中に整理収納アドバイザー1級資格を取得。 その後、武庫川女子大学大学院修士課程にて生活環境学を研究し、現在は整理収納コンサルタントとして、一般家庭や事務所の整理収納業を担う。その傍ら、使い手の無くなった着物や帯を新しい形へとアップサイクルする”Ofukuwake”や、各種セミナーや書籍監修などで活動。coordinationの代表、株式会社喫茶部代表。

https://www.coordination.work

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