bitokurashiの主宰者小林朗子さんは整理収納コンサルタント。
単に住まいの整理を助けるという役割で終わるのではなく、整理するターゲットを住まい、ひと、街とへと広げ全体を俯瞰し、ひとの暮らしについて深く研究されています。
このコーナーでは小林さんが考える整理収納とは、彼女が提案したいbitokurashi (美徳と暮らし、人と暮らし)とは何かをライターによる書き起こし形式でご紹介します。
みなさんが、このbitokurashiの思いを感じてくださりますように。
※当サイトの主宰に対してインタビューを行い記事にしています。よって、敬称を使用しています。
「豊かな生活のベースづくりに」です。まだお読みでない方はぜひリンクからご一読ください。
手放すことで生まれる循環
最近、自宅にあったモノの多くを整理して手放しました。
一人で暮らし始めた時に購入し、気づかぬ間に15年ものあいだ使い続けているモノもあり、その年月の長さを気付かされたくらいです。
リビングではなく寝室に置いていたソファも手放すことにしたのですが、その理由はとてもシンプルで「座らないから」。
幸い一人暮らしには十分な広さがある住まいですので、たとえ座る機会がなくても無理なく家の中にソファを置いておくスペースはあります。ですが、やっぱり「座る」もしくは「寝転がる」からこそのソファであって、寝室で飾られていては意味がありません。
手放すにも処分の仕方は色々あります。
新しく買い替えることにしたベッドに関しては枠組みは解体して廃棄し、マットレスは業者さんに引き取ってもらいました。ソファについてはインターネット上で個人が不用品を交換・販売することができるサイトを経由し、必要とされている方に無償でお渡ししました。
「まだ使えるものなのに、廃棄してしまうのは勿体ない」と感じてしまって、モノを手放すことを躊躇してしまいがちですが、今はインターネット等を介して買い手や貰い手さんを探すことも可能です。こういうサービスを上手く利用することも、整理収納をスムーズに行うコツの一つと言えます。
話しが少しそれました。
手離した小さなモノで言うなら、インクはあって書くことはできるけど使うことがないペン。パソコンやスマホを多用して、書く行為をほとんどしないにも関わらず意外とたくさん持っていたことに驚きました。
そして今の自分には少し合わないお洋服や靴達も。
質が良くて自分の好きなモノだけを選んでストックしているつもりでしたが、いざ見てみると「これはもう着ないかな」と思えるモノも何点かあり、この際だからとすべて手放すことにしました。
そして、いま私の部屋の中でモノとして認識できるのは必要最低限の生活家具と観葉植物くらい。
もともとモノを持たない、置かない生活をしていた私ですが、「何も無い」と言いたくなるような空間を手に入れました。
実感した生活の流れの変化
そもそもなぜこのように多くのものを手放そうと思いついたかというと、私が今携わっている仕事に集中したかったからなのです。
自宅で仕事をする機会が多い私にとって、住まいは仕事場でもあります。
集中したいにも関わらず、なぜか「モノ」の存在が気になって気持ちが散漫になり落ち着けない状況いることを感じ、目に入ると気になってしまう不要なモノを徹底的に減らそうと決めたのです。
整理をしたことで、すっきりと気持ちを入れ替えることができた上に、不思議と仕事を含め生活全体の流れが大きく変わりました。
不要なモノの存在で滞っていた住まいの中の空気が入れ替わり、私の全てが動き出したという感覚です。
今戴いているお仕事に集中する為にと始めたことなのですが、更に新しいお仕事のお話しを幾つか頂戴したり、数年間うんともすんとも言わず全く進んでいなかった未知のプロジェクトが一気に進みだしたりとか。
モノを整理することで自分の身体の中の流れも変わったのでしょう。
綺麗に手放すことで気持ちも一緒に整理することができます。
そうすると新しい出会いや価値に気づきやすくなり、機会を掴みやすくなります。
同時に、なりたい自分を想像してそこに近づけていく努力も必要です。
手放すだけではなく今持っているモノを他のモノと入れ替えて、存在の意味を持たすことも大切なことだと思います。
モノや思考を循環させて、生活の流れを作り出してみてください。
自然と豊かな時間が訪れてきますよ。
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家を綺麗に片付けても、すぐに散らかってしまうのは、恐らく片付けているのではなく「どこかにモノを押しやっている」だけなのだろうな、といま実感しています。室内の物量は変わってないので、数時間後には元の姿に戻ってしまうのでしょう。使わないものは手放す、もしくは使うものへと交換する努力が必要ですね。
10月1日公開予定の次回では、整理収納についてのコツについてお伺いしたいと思います。みなさんも小林さんに質問したいことがありましたら、ぜひメールやインスタグラムでのDM、メッセンジャーなどでお送りください。
お楽しみに。
聞き手と書き手:Atsuko Niwa
アイキャッチ画像はPexelsによるPixabayからの画像です。